ベトナム日系企業の皆さんもそろそろ、来年に向けて昇給に悩む時期ですね。
各コンサル会社から「2025年ベトナム昇給率調査・昇給率予測」みたいなレポートもチラホラと出ているようです。
ああいうのって、母数と業種の偏りが必ずあるため、また端的に言ってあまりにも数字がたくさん並んでるので、なかなかどう判断すればいいと言うか、用途が難しいんですよね...
問題はどこだ?もこれで問題解決!もなかなかなあ...という感じです。
ということで、表題の通りざっくりした印象全開で2025年ベトナムの日系企業における昇給について述べてみます。
まず、2024/7より最低賃金が+6.0%引き上げが施行されましたため、そちらが2025年の賃金上昇率にも影響を与えそうですよね。
先日のニュースにある通り、地場企業の昇給率は約6.0-6.7%程度と過去10年からしますとやや抑えめです。
また、日系・外資系企業の昇給率はここんところの例年5.0-6.0%で推移しております。
これらを踏まえますと、ズバリ!日系企業の昇給率は6.0%に届くか届かないか、つまり5.5%程度と予測できますね。
(毎年10%も上げてたら、会社つぶれるわ...)
足元の実感値として、多くのベトナム日系企業の対象となる「HCM/Hanoiなど都市部のホワイトワーカー(オフィスワーカー)転職市場」が供給過多(人余り)であり、求職者の希望給与額も例年と比べて、高くない(希望を抑えめ)といえます。そのため、同業他社や他の日系企業との比較で過度に昇給しなければ(例えば8-10%+)いけないという機運は無いかなと言えます。
※なお、貴社へ応募してこられる求職者がいう「希望給与額」は実のところ「理想給与額」「自己評価による"あるべき"給与額」であることが大半です。そこに市場原理や客観的な能力評価は欠けていること、要は言い値であることも珍しくありません。
-企業→希望給与額はいくらですか?
-応募者→○○USD(VND)
-企業:そのこころ(根拠)は?
と「謎かけ」よろしく一歩踏み込んだ、問いを発しましょう。
閑話休題
要するに「給与アップを目指した転職(ジョブホップ)は、ホワイトカラー労働市場が冷えているため、あまり見込めない」ということです。
具体的には、パフォーマンス(成果)帯に応じて、例えば
●低・・・0-2%
●中・・・2-4%
●高・・・5-8%
と明確にしやすい状況かなと。
「良い人は上げる、だめだった人は据え置き」もしくは、「成果は年間賞与に反映する」という施策で納得感を得やすいかとおもいます。
ここ15年程度のベトナムは「毎年昇給して当たり前」という考えが定着してましたが、労働市場の需給バランスが変わっていることもあり、そうした考えが全ての人に当てはまらなくなりつつありますね。
「ハノイ/HCM市内の不動産価格/家賃価格が高騰しており、物価上昇も体感的ある」という風潮も強くありますが、非常に厳しい現実として「成果に応じた柔軟かつリアルな賃金設定・昇給設定」ができやすくなっていると言えます。
これまでの「景気が良いから・物価が高騰してるから毎年10%は上がる」の脱却が見えていると言えます。
いかがでしょうか?
ご意見ご質問あれば、ぜひともご一報いただけますと幸いです。
GRASP CO.,LTD
熊澤
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