Ayako Kawata

2019年1月30日

転職したい人に勧めたい、今すぐ実践するキャリア・デザイン 後半

最終更新: 2021年1月25日

〜前半のまとめ〜

「転職したい」という気持ちを「節目」と捉え、これからのキャリアを捉え直すための様々な視点をご紹介。金井 寿宏著『キャリア・デザイン・ガイド』をベースに、前半では自分にとっての「満足感」や「高揚感」の源を特定する内省的な作業を進めました。(前半はこちら)

(前半での質問)

  • どんな仕事経験を経たときに「私、一皮むけた」という高揚感があったか。

  • 「難しい事だらけだったけど、これはよかった、楽しかった」と今でも思う仕事武勇伝。

  • 周囲からの仕事上の要請にどんな工夫をしてうまく対応したてきたか。

  • 昇進や昇給、収入アップをもたらした仕事経験。

企業の戦略を考えるように、自分のキャリアも考える。

  • 創業以来大事にしてきた理念やキャパシティ

  • 顧客や納入業者の要請へのマッチング

後半では、自分を取り囲む環境にも注目していきます。

キャリア・サバイバル

次に残りの部分もみていきます(下線の項目)。

キャリア・サバイバルとは、

周りの環境に自分を最適化させるという視点です。

周りの環境とは、上司、同僚、社長、大口顧客、家族、友人など社内外の関係者からなるネットワークです。更には、今後の社会や経済環境の中で変化する自分の役割や役割に求められる要素も含みます。

外側を見て、そこから自分のあり方を考える。周りから見て自分の居場所を知る作業にあたります。

社内外の関係者からなるネットワークは人それぞれです。

その中で自分が担っている役割、周りからの自分に向けられている要請を思い起こしてください。

それに対して自分がどれくらい最適化できているかを、

人生史上最大級客観的になって考えてみてください。

ついでに、今世界中で起こっている仕事環境の変化をざっくり見てみましょう。

・組織の簡素化

我々働く人にとって仕事の現場である組織のあり方について、今は簡素化がトレンドと言えます。全てを自社で背負うと、柔軟な身動きがとれず、迅速さを犠牲にしてしまうため、外部に委託できる部分は委託し必要に応じて選択できるようにする。社内には必要な人材だけを抱えておくという流れです。

他方で、全体の統合やきめ細やかなすり合わせが威力を発揮する分野では、被雇用者や関連業者との長期的な関係を保つ方が有効だという考えもあります。

・自動化

また、IT化や自動化はヒトが社会で担う役割そのものを変化させています。

それがどれだけ進んでも、そこにヒトが介在しないとできない判断やアクションは何かという視点は、これからの仕事を考える上でとても重要になってきます。

それでは、ここで再び自問自答です。

今いる環境とこれからの社会の中で、自分に必要なだけの仕事を引き寄せ続けるには、

  • 今からどんな経験や知識を身につければいいか。

  • これから克服していくべき自分の「弱み」は何か。(どんな誘惑に弱いか、どんな闘いが苦手か、何から逃げたくなるか)

  • 他の人ができているのを見て今でも悔しく・羨ましく思うことは何か。

  • 固執すると逆効果になる「強み」は何か。

  • 自分の本当のギリギリ限界はどこか。(時間、肉体、精神)

これらを謙虚な気持ちで考えてみましょう。

この一連の作業を進めるとわかるようになってくるものを「志の高いわがまま」と呼ぶことにします。

  • 自分にとっての「いいキャリア」とは何か

  • あり得る将来の方向性(ビジョンやミッション)は何か

  • その観点から今の現状はどうなのか

  • 今後は、何を気をつけ、何を乗り越え、どんなアクションをとるべきか

を含みます。

企業とは

もう一つ、働く場としての企業をどう解釈するかについてもこんな視点を紹介したいと思います。

企業は個人の経済的・社会的価値を増幅させる「器」として存在している。

「雇ってもらっている」でも「働いてやってる」でもない視点を導入してみましょう。

自分のキャリアのために企業という「器」を最大限に活かすことが、ひいては企業の利益につながるという好循環の考え方です。

選択肢

ここまでくると、ご自身の現状に関する選択肢は以下のようになるかと思います。

留まる

「志の高いわがまま」を実現するために、そのための「器」として現状を再認識する。

異動の交渉・副業の開始

「志の高いわがまま」を実現するために、そのための「器」を「今の仕事」に限定しない。

転職

「志の高いわがまま」を実現するために 、そのための「器」を「今の会社」に限定しない。

海外転職

「志の高いわがまま」を実現するために、そのための「器」を「日本」に限定しない。

独立

「志の高いわがまま」を実現するために、そのための「器」を自分で立ち上げる。

いかがですか?

「自分のキャリア」という言葉が持つニュアンスが、これまでとは少し変わってきたのではないでしょうか。

自分に高揚感をもたらす事に周囲の要請を組み込むために今の自分に必要な変化を自ら取りに行く。

自分の持ち味をより普遍的に通用する形で高めるようなキャリアを選択する。

「転職」はそのための選択肢の一つに過ぎないし、有効な選択肢の一つでもあるのです。

自分で自分のキャリアをデザインしたならば、次の節目までは安心してがむしゃらに邁進する意気込みと努力の積み重ね、そして思いがけない偶然を楽しむ気構えが重要になります。これについてはまた別の機会にご紹介したいと思います。

ちょっと自分が見えてきた気がする。

海外転職案、浮上中。(転職先の国を考える方に向けたこんな記事もあります。)

ちょっとプロにも相談してみたい。

そんな皆さま、ご相談承ります。

#転職 #海外転職 #キャリアデザイン

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