(末尾に動画のアリ)
海外転職のプロセスとして受ける事の多い、無料のキャリア相談サービス。
海外転職エージェントが提供するこのサービスを受けたことのある皆様は、一体どの程度の満足感を持っていらっしゃるでしょうか?
我々Grasp!は「現実に提供されているキャリア相談」と「本来あるべきキャリア相談」に根源的な隔たりがあるように感じています。
今回は、Grasp!の考える「キャリア相談」についてお話したいと思います。
海外転職エージェントにとっての求職者とは
そもそも、現実に提供されているキャリア相談サービスはどういうプロセスになっているのか?
端的に言うと、40年以上の歴史のある日本の人材紹介業界のビジネスモデルのあり方に起因しています。海外転職エージェント、特に日系エージェント会社においてもその影響は未だに根強く、その営業売上は求職者を紹介する企業から支払われる紹介サービス料が大半です。
一方、「求職者のニーズに答える、クライアント企業と求職者のニーズをマッチングさせる」のは転職エージェントが持つ本質的に重要な機能なのですが、クライアント企業からサービス料を徴収するビジネスモデルであるため、「求職者よりクライアント企業」に重心を置く傾向があります。
これがBtoBビジネスとしての人材紹介業の現実です。もちろん、事の良し悪しではありません。
特に海外転職エージェントにおいては、日本国内よりも求職者の数が圧倒的に少ないため、「ユーザーとしての求職者の意向・声・ニーズが弱い」と業界内で無意識にみなされてきた傾向があります。
そのため、海外転職エージェントが求職者に向けて提供しているサービスは、クライアント企業が求める人材ニーズに関する情報提供が主であり、ほとんどのエージェントにおいてキャリア相談の機能は希薄です。
要するに、現地情報・現地企業情報の提供サービスであり、そもそもキャリア相談は実質的に提供されていないのが実態なのです。
そのため、必然的にサービスの範疇は「求職者が転職先を決め、転職先で仕事を始める」までになります。
相談する求職者側にしてみれば、「海外転職・エージェント・キャリア相談」と聞くと、中長期的な海外生活や仕事や人生のプランが対象になったコンサルティングサービスのような印象を受けますが、現実には、そのビジネスモデルの性質上、非常に短期的な視点での情報提供をメインとしたサービスにならざるを得ないのです。
求職者にとっての海外転職とは
他方、求職者にとって、自らの意思で日本を出て海外で働くという現実は、新たな不安や海外移住ならではの環境の変化など、物心の負荷に向き合う事でもあります。
日本国内で正社員として働いていれば受けられた社会保障の枠組みから外れる不安。今まで以上に金銭的な自立を求められるという負荷。
「今、この国で働いている」理由や意義付けが必要になるという負荷。
今後のキャリアデザインに「日本に戻る/戻らない」という条件が加わるという負荷。
海外転職はメインストリームではない以上、その後のキャリアパスは前例に従うというよりは自らが前例になるという意識が必要になるという負荷。
これらに対するカウンセリングは、多くの海外転職エージェントの求職者向けサービスにおいて、実態としては「対象外」でした。
Grasp!が見る限り、ベトナムにおいては、このような不安や負荷をサポートするサービスは行われておらず、海外転職者個人が一人一人で背負っているというのが現実です。
海外転職する人にとって「意義あるキャリア相談」とは
海外で転職することは、人生の転機になりうる大きな決断を伴います。
海外転職活動のプロセスにおける、時々で下さなければいけない意思決定。その材料としての具体的な就職先や手続きに関する情報は、Google検索さえすれば誰でも容易に入手することができます。
しかし、個別の事情にマッチする意義付けや負荷の解消法は、検索しても見つかるものではありません。また、一人黙々と考えても解決の糸口が見つかるわけではないかもしれません。
なぜなら、不安や負荷の解消の手立てを、際限のない情報収集から見出すことはそれ自体に意味は浅く、「自分の生き方」や「自分の人生の捉え方」などと言った命題を考え抜くには、知識・情報の積み上げのみでは先に進まないのです。
重要なのは「知識・情報の解釈・分析」、そして「思考」です。
個別の事情を他者と話していく中で得られる「気づき」にこそ、「解釈・分析・思考」を続けられるものとして、「意義あるキャリア相談」であると考えます。
つまり、Grasp!としては、「自分が歩むべき正しい道を見つける」ための「気づき」を得る機会を提供・支援することこそが、キャリア相談のあるべき姿ではないかと考えています。
従来の海外転職エージェントの枠組みを超えた、求職者向けのサービス。
Grasp!の転職支援サービスは、海外転職者の中長期的な視点から捉える「今の意義」を考えるきっかけを提供します。
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