• Takumitsu Kumazawa

【2010年代ベトナム経済史〜チャイナプラスワンの実態を振り返る】・・・2020年代的高度経済成長を見据えて

更新日:2020年12月11日


文字数:16,746字

読了時間:25分


こんにちは。

今は2020年4月です。

つい3ヶ月前の西暦正月の頃は黄金のベトナム2020年代の幕開けと旧正月休み前の興奮もあり、期待ばかりのワクワクだったのですが、COVID-19の世界的な流行とそれに伴う経済的停滞によりそんなポジティブモードは完全に吹き飛んでしまいました。

一体、これからのベトナムはどうなるのでしょうか。

正直、全然わかりません。

よくわからないのでとりあえず今できることをひとつずつやっていきましょう。


ということで表題の通り、第2次ベトナム投資ブームを終えなんだかんだとありながら、経済成長を続けたベトナム経済の2010年代から昨今までをおさらいしてみましょう。


一言でいうと、色々あったけど。。

「ベトナム躍進の2010年代」

です!





ホーチミン 日の出


【目次と概要】

⚫前説と2010年以前のベトナムの経済状況

・在留日本人とベトナムの経済変化

・ベトナム2000年代と第2次投資ブーム。


⚫年度別概況前半

・07-09年のベトナムドン通貨危機と貿易赤字

・10年:微小回復、ベトナム経済成長方針とマクロ安定方針

・11-13年:ベトナム不景気

・14年:不景気ながらも回復はじまる・・・ベトナム貿易黒字

・15年:ベトナムGDP成長率目標達成、本格的な回復

・16年:目標未達成ながらもさらに順調に回復・・・ベトナム貿易黒字


⚫トピック

「2016~2020年ベトナム経済・社会発展5カ年計画」から見える、2020年のベトナム経済予測〜


⚫ベトナム年度別経済概況後半

・17年:絶好調期突入・・・10年ぶりの内需拡大

・18年2年連続の絶好長期

・19年:好調期は維持するもののやや陰りが


⚫まとめ・・・ベトナム、この10年で何が変わったのか


⚫最後に


【前説】

みなさん、10年前はどこで何をしてましたか?

筆者はベトナムに来たばかりで周りが見えておらずボーッとしてました。

2010年前後はベトナムにはまだ日本人が少なく日本食屋さんも数えるほどでした。

iPhone・MacBookAirもまだ正式には入ってきておらず、当時の日本国内の都市圏の町並みと比べるとふた昔前ぐらいの雰囲気でした。


あのPiaaz4Psさんも2011年にできたばかりで当時はこんな感じでしたね。



ホーチミンPizza4Ps 2011年

おなじみHIGHLANDS COFFEEはもっとレストランじみて洒落た場所として認知されており美味しそうなナシゴレンを食べさせたりアイスコーヒーも21,000VNDでした。今のように小洒落たカフェもバーも他にはそれほど多くありませんでした。

HIGHLANDS COFFEEナシゴレン


ベトナム在住邦人数は


2008年:7,036人

2018年:22,125人


と10年で3倍増えています。

しかし2009年→2010年で900人ぐらい減っているのですが、これはなんだったのでしょうか?

いわゆるリーマン・ショックの影響でしょうが、2017年→2018年は一気に5000人も増えちゃってます。統計偽装なんて朝飯前の我が国ですから、まあなんだかよくわからないですね。

そんなに一気に増えた実感はないのですが。

とはいえ、「なんか最近ベトナム日本人増えたよね」というのは本当らしいです。

若いきれいな女性が増えたなという実感はもっとあるんですが、統計はないです。


在越邦人数推移


一方、在ベトナム日系企業数はどうでしょうか。


2008年:950社

2018年:1920社


1000社を超えたのは2011年、ここ10年で2倍に増えています。

実際には合弁会社や名義貸しなどもあるので、すでに2500社ぐらいあるのではないでしょうか。



在越日系企業数推移

なおベトナム戦争後初の在越日系企業は1986年設立の日商岩井ハノイ駐在員事務所。今の双日様ですね。同社はベトナム戦争中の1970年から北ベトナムと石油取引を行っていたベトナムビジネスのパイオニア。双日様の旧オフィスと思われるホーチミン3区にクラシカルな一軒家があります。

https://www.sojitz.com/history/jp/era/post-41.php


戦前戦中より既に駐在員事務所?として進出されている大手商社もありますね。

司馬遼太郎「中公文庫『人間の集団について―ベトナムから考える』には、日系商社の日本人駐在員が名前入りで登場します。

司馬遼太郎 人間の集団に ベトナム

















【2007-09:ベトナムドン通貨危機】


2007年、ベトナムはWTOに加盟しました。

2000年代初頭からいわゆる「第2次ベトナム投資ブーム」もあり、結構イケイケだったんですね。経済成長爆進中でGDP二桁成長を続けていた中国への対抗心もあったんでしょう。

2007 年 11 月 1にベトナム国会で「翌08年の実質GDP成長率目標を+8.5~9.0%」という決議がなされます。


そんな強気かつ警戒心が薄い中、CPI上昇・インフレ悪化・コモディティの価格上昇による貿易赤字などが原因で2008年にベトナム通貨危機寸前の状態に陥ります。結局、通貨危機自体は緊縮財政・緊縮金融で回避するのですが、そこからベトナムは低成長政策・マクロ経済安定政策に切り替えます。イケイケは辞めて、貿易赤字を減らし、ベトナムドンを安定させましょうと。

そうした中でベトナムマクロ経済もなんとか安定を取り戻し、2008年後半からは段階的にですが金融緩和をすすめます。しかしCPIの上昇率と海外からの投資額を見ながらかなり慎重なもので、2010-11年まではベトナムの経済成長は見込めないという判断がされていたと言えます。


そんなマクロ経済の中、2009年には日越経済連携協定の実施が承認され、関税撤廃が進みました。2009年1月1日にはベトナムでの外資100%によるサービス業への参入が認められました。

日系企業としてはファミリーマート・ベトナム1号店が同年12/23午前10:00にホーチミン1区のNguyen Khach Nhu通りにオープンしました。

https://www.family.co.jp/company/news_releases/2009/20091222_01.html




弊社Grasp!のような転職支援・採用支援を行う日系人材紹介会社、GA Consulting様、Career Link様、Asahi Tech様などのPioneerがベトナムで事業を開始されたのもこの頃ですね。それまでは日本食レストランなどに求人張り紙がされていたり、インターネットの掲示板(http://jobs.vietnam-life.net/)などで求人と求職者のマッチングなどがされていたようです。

https://www.graspvietnam.com/post/20190527


※主な出来事


2007年:ベトナムWTO加盟

2007年:AFCアジアカップがベトナムを含む東南アジア4カ国で共同開催。

日本はベトナムと同グループに入り予選3試合をハノイ・ミーディンスタジアムで戦う。

2006年〜2008年:ベトナムのアパート価格急上昇

2008年ミス・ユニバース世界大会ベトナム、ニャチャン開催

2008年ベトナム男子サッカー代表、AFFスズキカップで初優勝

2008年イオングループ進出

2009年:台風16号でホイアンで死者159名、行方不明15名、負傷者629名



ホーチミン 夕暮れ時


【2010年・微小回復、ベトナム経済成長方針とマクロ安定方針

●GDP成長率6.78%を達成(目標値 6.5%)。過去3年の経済の危機からの順調な回復

●自国通貨ドンの不安定化等,マクロ経済状況は不安定化

●10/8国会で下記の来年目標を発表

・最重要課題「ベトナムマクロ経済の安定とインフレの抑制」

・経済成長率:7.0-7.5%

・輸出総額:10%以上増加

・貿易赤字:輸出額の18%以下 -

・総社会開発投資額:対GDP比40%程度

・物価上昇率:7%以下

・雇用創出:約160万人(うちベトナム国外への労働輸出 87,000人)

・貧困家庭率:2%以下



※主な出来事

・ASEANサミットベトナムハノイ開催

・ベトナムに米インテル、韓国サムスン, LG グループ進出

・Kobelco、ブリジストン、富士ゼロックス進出

・iPhone3Gがベトナムで正式販売開始

・ホーチミン・チョーライ病院設立110周年

・Bitexco Financial Towerが開業

・菅直人総理大臣(当時)が訪越



【2011-13年:ベトナム不景気/マクロ経済安定重視期】

※過去5年と比べて、マクロ経済的には地味な3年間。

中長期的な躍進のためにはベトナムドンの安定・インフレの改善が必須事項として我慢の時期。一方、Starbucks Coffee、Pizza4ps、ミニストップなどが相次いでベトナムで開店するなど内需拡大の息吹を感じる時期でもある。一般生活ではiPhoneやFacebookなどはベトナム国内では未だ大多数が利用していない期間であり、若者向けカルチャーなどもまだまだ揺籃期といった感じであった。


当時、筆者がホーチミン・ハノイの街をランニングすると、かなり奇異な目で見られたことを覚えています。今では信じられないですが、当時はまだ健康ブーム・ランニングブーム・フィットネスブームはまだなく、街を全速力で走るような人は外国人以外ほとんどいなかったのですね。2020年との違いという意味で、今思うと少し象徴的だなと感じます。

感覚的な言い方ですが、人々の「視線」が変わったなという気もいたします。


ベトナムの都市圏も道端にはまだゴミが溢れており一昔前の街の雰囲気。

道の舗装もまだまだ進んでおらず、街歩きするにも一苦労という感じでした。

特にハノイの街は「昭和40・50年代の日本」という言葉がぴったりな風情でした。



2011年・12年ともにインフレ抑制・マクロ経済の安定を経済政策の最優先事項としておいた結果、GDP成長率5.9%→5.0%と2009 年の 5.3%を下回る経済成長率。


■2012 年ベトナムの社会経済開発計画

「ベトナムのインフレ抑制を最優先課題とし,マクロ経済安定に努め,リーズナブルな成長率を達成すると共に,経済の質及び競争力の向上を図るべく成長モデルの転換及び経済再構築を進める」として,経済成長率は 6-6.5%,物価上昇率を 10%以下に抑制,輸出総額 13%以上増加


2013年のベトナム経済成長率は5.4%と前年からは伸長したが目標の5.5%には及ばず。一方、CPI上昇率は年間6.6%と最も低い結果となりマクロ経済の安定は進む。FDI全体数値は前年より下がるも日本からの投資額は国別では最高額となる上昇。また、サービス業GDPの伸び率が6.56%と過去10年で最高の伸び率を示す。


※主な出来事

・2011年:Pizza4ps、ホーチミンに1号店開店

・2011年:東日本大震災チャリティマッチがホーチミン・トンニャットスタジアムで開催。三浦知良・中田英寿・パク・チソンらが来越しプレー。

2011年:サッポロビール進出

2011年:リクルートエージェントベトナム現地法人設立

2012年:ミニストップ、ホーチミンに1号店

・2012年:東京急行電鉄株式会社とビンズン土地公社の合弁会社ベカメックス東急設立

・2012年:日本食のみの屋台村「Tokyo Town」がホーチミンに開店

・2012年:日系IT企業進出・設立が相次ぐ・・・BrSE・IT Comtorの隆盛の端緒

・2013年:三洋電機ベトナム子会社横領事件、日本人被告に終身刑判決

2013年:スターバックスコーヒー、ホーチミンに1号店開店

2013年:ダンキンドーナツ、ドミノ・ピザ開店

・2013年:ビンコムメガモール・ロイヤルシティ、ハノイに開店

・2013年:ベトジェットエア、民間航空会社として初の国際線開業(ホーチミンーバンコク)

・2013年:Vo Nguyen Giap将軍、死去

・2013年:Lemon Teaブーム

・2013年:改正労働法施行

・2013年:エン・ジャパン、ナビゴスグループを買収

・2013年:日越国交樹立40周年・・・1月に安倍晋三総理大臣が訪越



 201111回共産党大会※
3つの戦略的突破口」「成長モデルの刷新」というスローガンが打ち出され、2020年のベトナム工業国入りに向けた経済政策・指針が発表された。

その10カ年戦略では「経済発展、成長モデルの刷新、経済再編」のための方向性として、マクロ経済安定、農業、工業、サービスの発展、インフラ建設、文化発展、保健医療サービス向上、教育訓練の拡充、科学技術の発展、経済発展との調和の取れた文化・社会発展、環境の質の改善と気候変動への対応、独立・主権、領土の保持といった 12の「発展の方向性」が示されていた。   


【2014年:不景気ながらも回復はじまる】・・・ベトナム貿易黒字


※この年ぐらいから、ベトナムでもiPhone・Mac Bookなどアップル製品の所有者が増えたという実感があります。街のカフェでノートパソコンを開く若者もこの頃から増えました。

また他の都市に先駆けてホーチミン市に清掃員が導入され街並みの清潔度が大幅に改善されました。道に落ちてるゴミが大幅に減り、ホーチミンと他の都市の街の雰囲気にギャップがあるなとしみじみしたものです。公園などにゴミ箱が設置されたのもこの頃です。


■ベトナム経済成長

経済成長率は 5.98%増(速報推計値)。

政府目標5.8%は達成、直近3年では最高水準となり景気回復基調が見える。

この年の経済成長は外資を中心として製造業(対前年比8.45%増)が主役となった。また個人消費も対前年 6.3%増と徐々に内需拡大が見えてきた1年といえる。


■課題とその克服

インフレの抑制に成功した1年となる。CPI 上昇率は年平均 4.09%増となり、ベ トナム政府の当初目標である「7%以下」は達成。 インフレ抑制に成功した背景には、食料品等の価格上昇、医療・教育等の行政サービス提供にかかる コストの値上げが抑制された。また住宅・建設資材の需要が弱く価格上昇が抑えられた 。さらに、2014年下半期の国際的な原油価格の下落は、石油関連製品の輸入コストの低減という形 で、ベトナム国内の各セクターでのエネルギーコストの低減に寄与したと言われている。


※主な出来事

・マクドナルド1号店、丸亀製麺1号店、ホーチミンに開店

・反中デモ勃発・・・ベトナム海域に集中する排他的経済水域で石油掘削リグ設置が行われたことを端緒とする

・スターバックスコーヒー、ハノイ1号店(ベトナム4号店)開店

・ドンナイ省・Long Duc工業団地開業

・ハノイ・ノイバイ空港新ターミナル開業

・湘南美容整形、銀座マツナガ、ホーチミンに開店

・牛角1号店、ハノイに開店

・Grab Taxi、Grab Bikeホーチミンでサービス開始

・Lotte Center Hanoi開業

・VNG Corporation(https://www.vng.com.vn/)がWorld Startup Reportにてベトナム国内企業初かつ唯一のユニコーン企業としての評価を受ける


ハノイ・西湖の夕暮れ/2014年

※ハノイ・西湖の夕暮れ/2014年



【2015年:GDP成長率目標達成、ベトナム本格的な回復】


※この頃にはベトナムの街並みも人も現在にかなり近づいてきました。外国人旅行者も大幅に増加し、若者たちがiPhoneを手にするようになったのもこの年前後です。その若者の象徴の1人とされる、ベトナム人女性ラッパーのSuboi(翌2016年、オバマ大統領来越時に彼の前でラップを披露した)がアメリカでのデビューアルバムをリリースしたのもこの年です。

このSuboiさんですが、その後宇多田ヒカルさんとの共演も果たすなど、これからさらにビッグネームになるかもですね。


ご存じない方にSuboiの1曲「N-Sao?」をどうぞ。

https://open.spotify.com/album/6UcuNO3223AKyzPx9EpCPA?si=guMJZyv-T1CkU8AXJgwoLQ


その年の7/20付NewYork Timesではこんな特集が掲載されました。当時ベトナム国内の都市部でも流行り始めていたルーフトップバーの様子とホーチミンの盛り上がりをかけ合わせたようなTitleです。


「Capitalist Soul Rises as Ho Chi Minh City Sheds Its Past」

(資本主義者の魂、宙空に舞い上がり、ホーチミンシティは来し方を脱する)


ここでは、米国との戦争の結果、最貧国まで陥ったベトナムが今、どのように資本主義的システムを取り入れ、豊かになっていこうとしているかが描かれています。記載にもあるよう、既にホーチミンは非定住者も含めると1200万人都市になっていました。

ホーチミン ルーフトップバー


また、ハイフォン-ハノイ間、それまではバスで5号線をえっちらおっちら行くか、列車で片道4時間かけていくのものでしたが、高速道路が完成し両都市のアクセスが急激に良くなったのもこの年です。


■ベトナム経済成長の動向


経済成長率は 6.78%増となり,直近 8 年間で最高水準。

ベトナム政府の当初目標 である「6.2%」は達成され,ベトナム経済が回復基調にあることがうかがえる。 この年の高水準の経済成長は前年同様,外資を中心とした製造業(対前年比 10.6%増)が牽引した。また個人消費を中心とした内需面も回復傾向にあり対前年比 8.4%増の回復基調となった。


■ベトナム物価等の動向

CPI 上昇率は年平均 0.63%増。2000年以降最も低い数値となり、政府目標の5%を達成。 国際的な原油価格の下落が続き、石油関連製品の輸入コストが下がり、各セクターにもその影響が及び結果全体的なコストダウンとなった。その他、グローバルでの農産品の需要減に対し国内の食料品・食材の供給量が高次元で安定した結果、インフレ抑制を達成できた。



インフレ上昇率の抑制と経済の安定成長は銀行の貸出金利の若干の下落をよび, その結果銀行貸出残高の増加率は前年比 17.29%増加まで上昇。政府目標(13%~15%増)を達成。

→2019年までのベトナム安定成長・内需拡大の要因の息吹が感じられる


※主な出来事


・東急電鉄グループ、ビンズン省ビンズン新都市内に高級コンドミニアム「Sora Garden」竣工

・大戸屋、ホーチミンに開店

・Mikuni Dental、ハノイにて開業

・イオンモールハノイ1号店開店

・お好み焼き千房、ハノイに開店

・Nguyen Thi Anh Vien、第28回SEA Game水泳競技で金メダル4個を獲得

・ホーチミン地下鉄建設、さらに本格化。車両モデルが一般公開される

・通貨ドンの切り下げを3回実施

・Christian Louboutinの口紅がFacebookなどによるオンラインでの口コミにより大ヒット

・日本人経営の二郎系ラーメン店「Ramen Eno」がホーチミン5区でオープン。10区に移転後もその味と30,000VNDの安さからFacebook・口コミにより地元住民・学生を中心に話題となる

・ハノイーハイフォン高速道路105.5kmが全通

・ベトナム戦争終結から40周年

・改正住宅法が施行され、外国人の住宅所有が認められる

・ハノイ、ニャッタン橋が完成。ハノイ市内-ノイバイ空港の移動所要時間が15-20分程度短縮される



【2016年:目標未達成ながらもさらに順調に回復】・・・2年ぶりの貿易黒字


この年、ホーチミンの高島屋がオープンしたのもありますが、日本食ブームと申しますか、ラーメンブームのようなものがホーチミン・ハノイと起こりましたね。

https://matome.naver.jp/odai/2146882965880601801?&page=1

遅れてきた日本ブームのような雰囲気を不思議な感じで見ておりました。今、ベトナムにいらっしゃる皆さんもこの頃から駐在・在住開始された方も多いのではないでしょうか。

この年からベトナム人の訪日ビザ取得要件が緩和され、各旅行会社が一気に日本ツアーキャンペーンを開始したというのもありました。国全体に好景気感が芽生え始めてました。



■ベトナム経済成長の動向

経済成長率は 6.21%前年の 6.68%を下回り政府目標の6.7%も未達成。

一人あたりのGDPは2215USDまで成長。


ベトナムでのサービス業・製造業・建設業は堅調に推移したものの、それ以外の産業の成長が足踏み。特に鉱業はマイナス4.0%成長まで落ち込んだ。原油・石炭産出量が価格低迷により不振。一方、農業では北部の寒波・中部/南部での干ばつ・塩害、中部での洪水により、成長率が1%以下と伸び悩んだ。



■ベトナム貿易動向

輸出額は電子製品や携帯電話の輸出増加等の影響により対前年比 9.0%増 の 1766 億USD,輸入額は同 5.2%増の 1741 億USDとなり,貿易収支は 25.2 億USDの黒字とな り,2014 年以来の貿易黒字を記録した。政府目標の輸出額対前年比 10%増の目標は達成できな かったが,中国やタイなどの近隣諸国が対前年比で輸出額の減少に直面しているなかで,比較的好調を維持した。


■FDI

外国直接投資実行額は過去最高の前年同期比 9%増の 158 億USD。

一方、外国直接投資認可額は前年同期比 8%減の 209.5 億USD。新規投資(2556 件)は同 2.5%減の 151.8 億USD、追加投資(1225 件)は同 19.7% 減の 57.7 億USD。


※主な出来事

・Apple社、ベトナム法人での事業開始(法人設立は2015年)

・国内の新規設立企業が初の10万社突破

・高島屋ベトナム、ホーチミンに開店

・Zara、ホーチミンに1号店開店

・Grab Bikeアプリがリリース

・オバマ米大統領来越

・Grab ・Uber共に利用者急拡大

・訪日ベトナム人数は23万人を超え過去最高を記録



ベトナム 通勤ラッシュ

<トピック>

〜ドイモイ政策以降示された、ベトナム経済・社会報告について「2016~2020年経済・社会発展5カ年計画」から見える、2020年のベトナム経済予測〜


これですが要は、2011年に「3つの戦略的突破口」と「成長モデルの刷新」 という打ち上げ花火を上げましたが、実際のところ2015年までにどれだけ達成されたのか?それを踏まえて、2016-2020はどうやっていくのか?というお話。




●過去20年の経緯  
・1996年第7回党大会: 「2020年までにベトナムは基本的に近代的な工業国になる」ことが長期的な目標と設定された
・2001年第8回党大会: 「社会主義志向の市場経済化」、すなわち国家部門、民間部門、外資部門といった各所有形態の一体的な発展とその後繰り返される経済発展の基本姿勢が打ち出された。  
・2011年第11回党大会: 「3つの戦略的突破口」、「成長モデルの刷新」というスローガンが打ち出され、工業国入りに向けた加速が期待された。   

■2016年初頭、共産党全国大会及び国会で2010年代後半の経済政策・目標が示された。

・2011~2015年経済・社会発展任務実現の結果の評価と2016~2020年経済・社会発展の方向性と任務に関する報告
原文http://www.mpi.gov.vn/pages/tinbai.aspx?idTin=1552&idcm=195

・2016~2020年経済・社会発展5カ年計画
原文http://www.mpi.gov.vn/pages/tinbai.aspx?idTin=43622&idcm=196

参考資料・・・細かい内容はこちらに丁寧に日本語で記載されています。今回も大いに参考にさせていただきました。
http://www.ide.go.jp/library/Japanese/Research/Region/Asia/Radar/pdf/201604_sakata.pdf


そして、この2016年「ベトナム5カ年計画」で最も注目されたのが

「2020年にベトナムは工業国入りできるのか」


というトピック。