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人間はどこまで便利さを受け入れるべきか〜配車サービスから見るベトナム人の生活と消費行動の変化

※この記事は弊社代表が個人のLinkedinアカウントにてベトナム語で投稿した記事を日本語翻訳し、日本人の方向けに一部修正した記事です。

オリジナル記事はこちら(ベトナム語)


ベトナム人の生活と消費行動に欠かせない配車サービス/バイクタクシードライバー
ベトナム人の生活と消費行動に欠かせない配車サービス/バイクタクシードライバー

先日、ベトナムで配車・配送プラットフォームに従事する約60万人のドライバーが、依然として十分な社会保険制度の対象となっていないという記事を目にしました。


Over a decade later, Vietnam's 600,000 gig drivers remain uninsured workers"


その記事の内容や政策の是非について論じたいわけではありません。

ただ、その記事をきっかけに、以前から考えていたある問いを改めて思い出しました。

それは、2020年のパンデミック以降、特に強く意識するようになった問いでもあります。


「便利さとは何か」


という問いです。

筆者はベトナムに15年ほど住んでいます。

この10年ほどで、配車・配送プラットフォームの発展は目覚ましいものがありました。

人を運び、食事を運び、荷物を運ぶ。

今やそれらは都市生活に欠かせないインフラとなっています。

もちろん、こうしたサービスそのものを否定したいわけではありません。


むしろ、

  • 雇用の受け皿

  • 交通インフラ

  • 物流インフラ

  • 都市生活の効率化


という意味で、社会に大きく貢献していると思います。

しかし、ふと考えるのです。

便利さとは一体何なのでしょうか。

定義するなら、


「欲望や願望を実現するまでの距離や時間を短縮し、手間を減らすこと」


例えば以前までであれば、


「コーヒーを飲みたい」

歩いて買いに行く

飲む


でした。


しかし今では、


「コーヒーを飲みたい」

スマートフォンを操作する

届く


になりました。

欲望そのものは変わっていません。

変わったのは、欲望と実現の間に存在していた距離です。

私たちはしばしば、便利になることは良いことだと考えます。

実際、便利さは経済成長を生み出し、多くの人々の生活を豊かにしてきました。

しかし、


便利さが増えることと、人間が豊かになることは本当に同じなのでしょうか。


欲望そのものを否定したいわけではありません。

ただ、欲望とその実現の間には、ある程度の距離や摩擦が必要なのではないかと思うのです。


・歩く

・待つ

・考える

・我慢する

・諦める


そうした過程の中で、人は本当に必要なものと、単なる一時的な衝動を区別してきたのではないでしょうか。

現代社会は、その摩擦を次々と取り除いています。

その結果、私たちは多くのものを手に入れました。

しかし同時に、自らの欲望を制御する機会も失いつつあるように感じます。


「便利だから利用する」

「本当に必要だから利用する」

は似ているようで、全く異なる心の状態だと思います。


この問いは配車サービスや配送サービスだけの話ではありません。


SNSもそうです。

動画配信サービスもそうです。

ネットショッピングもそうです。


すべてに共通しています。


人間はどこまで便利さを受け入れるべきなのでしょうか。

言い換えれば、


人間は自らの欲望や自己満足の実現を、どこまで追求するべきなのでしょうか。


もちろん、筆者自身に明確な答えがあるわけではありません。

ただ、経済成長や効率性だけでは測れない価値があることは確かだと思います。

そして「節度」という考え方は、これからのベトナム社会においても改めて見直されるべきテーマなのかもしれません。

ここからは完全にベトナムに一定期間定住している外国人としての筆者個人の感覚です。


最近、街中や都市部を見ていて感じることがあります。

同じデザインの制服を着たドライバーが、街や道路の至る所に存在している光景です。

気になっているのは、制服の色ではありません。

緑色であろうと黄色であろうと、それ自体に問題があるとは思いません。

ただ、

大量の人々が同じ服を着て街を埋め尽くしている状態



には、少し違和感があります。

都市景観という観点から見ると、あまり好みではありません。

それが都市本来の多様性や個性を少し失わせているようにも感じます。

もちろん、これはあくまで筆者個人の美意識の問題です。

こうした仕事に従事されている方々や、その仕事そのものを批判する意図は全くありません。その労働と社会的役割を十分に尊重しています。


単に景観や都市空間についての個人的な感想を述べているだけです。

皆さんはどう思いますか。

筆者自身、以前は便利さを無条件に歓迎していました。


しかし最近は、

「本当にそこまで便利である必要があるのだろうか」



と考えることがあります。

街中には配送ドライバーが溢れ、ミルクティーも、昼ご飯も、すぐに届けてもらえる。

もちろん、それは個人の自由です。

ただ時々こう思うのです。

そんなに急ぐ必要があるのでしょうか。

そんなに欲しいものがあるのでしょうか。

これは完全に私個人の感覚ですが、

生活必需品以外で、私たちは本当にそれほど多くのものをネットで買わなければならないのでしょうか。






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